界面活性剤とは?シャンプーや化粧品に含まれる色々な界面活性剤の種類と効果を解説

 

美容

化粧品などに使われている界面活性剤。
聞いたことがある方もいらっしゃると思います。

「界面活性剤は肌によくない」
「刺激が強い」

こんな風に思われていませんか?

界面活性剤はたくさんの種類に分けられていて、「必ずしも肌に悪い」ものではありません。
しかし、肌につける化粧品などに界面活性剤が入っていると心配してしまいますよね。

そこで今回は、界面活性剤の役割や4つの種類についてお伝えします。
スキンケア化粧品などを買うときに役立つ内容です。
界面活性剤の成分を詳しく知りたい方は、ぜひお役立てくださいね。

この記事を書いた人

金田ゆか

金田ゆか

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ライター/ピラティスインストラクター。表参道「Sky Pilates Tokyo」にて、300名以上の女性にパーソナル指導した経験を生かし、体を内側から整える方法を発信中。ダイエットや運動だけでなく、食事・メンタルケア・アロマなど多岐にわたる知識が豊富。心に寄りそう文章で「キレイになりたい」女性をサポート。STOTT PILATES®認定インストラクター/薬膳フードデザイナーベーシック資格。

界面活性剤とは?

そもそも「界面活性剤」とは何かをご存知でしょうか?
界面活性剤の「界面」とは、水と油のように2つの異なる物質の「境目」のことを指します。

油は水より軽いため、本来は混ざり合わないものですが、水と油を仲立ちするのに役立つのが界面活性剤なんです。
界面活性剤には、界面(境目)の状態を活性化させて、水と油を混ぜ合わせる働きがあります。

界面活性剤の分子構造は、水になじむ性質の「親水基」と油になじむ性質の「親水基」の2種類があります。
これらの構造が水と油のそれぞれに働きかけることで、水と油が混じり合うという仕組みです。
つまり、界面活性剤は、水と油の仲介人のような役割をしているんですね。

界面活性剤の4つの種類


いくつもの種類がある界面活性剤。
ここでは、4つのタイプに大きく分けてご紹介します。

【界面活性剤の種類】(刺激が高い順)

  • 陽イオン界面活性剤
  • 陰イオン界面活性剤
  • 両性イオン界面活性剤
  • 非イオン界面活性剤

一般的には、陽イオン界面活性剤がもっとも刺激が強く、非イオン界面活性剤がもっとも低刺激で安全性が高い成分だとされています。

陽イオン界面活性剤

プラスの電気を帯びた性質がある陽イオン界面活性剤。
殺菌性が高く、柔軟する効果があるため、柔軟剤やトリートメント、殺菌剤などに使用されることが多いです。
一部の成分は、皮膚刺激性が高く、肌を刺激してしまう場合もあります。

陰イオン界面活性剤

陰イオン界面活性剤は、マイナスの電気が帯びた陰イオンの性質を持っています。
洗浄する力が高いものの、低刺激なのが特徴です。
石けんやシャンプー、食器用洗剤、衣類の洗濯洗剤などさまざまな商品に使われています。

両性イオン界面活性剤

両面イオン界面活性剤は、プラスとマイナスの電気を帯びる性質があります。
皮膚への刺激は低く、肌にやさしい成分です。
そのため、ベビーシャンプーや化粧品の乳化剤などに使われています。

非イオン界面活性剤

電気を帯びていない非イオン界面活性剤は、刺激がほとんどなく、安全性が高い成分だと言われています。
皮膚への刺激もほぼないので、スキンケアやメイクアップ化粧品、おしゃれ着用の洗濯洗剤にも使われている成分です。

毒性がなく、無刺激の成分も多いため、マヨネーズなどの食品添加物として用いられる場合もあります。

界面活性剤は危険?毒性について


界面活性剤と聞くと、肌に悪いイメージがあるかもしれません。
しかし、先ほどご紹介した非イオン界面活性剤は、非常に安全性が高く、肌への刺激はほぼありません。

実験でも、非イオン界面活性剤の成分は、ほとんどが無刺激であるとわかっています。
ですので、多くの企業が化粧品の乳化剤などに使用しています。

しかし、毒性をもつ界面活性剤があるので注意しなければなりません。
陽イオン界面活性剤には、毒性があり、高刺激の成分があります。
もっとも毒性が強いのは、「塩化ベンザルコニウム」と呼ばれるものです。
この成分は、低濃度で殺菌剤の一部に使われています。

このように、一口に界面活性剤と言っても、種類によって毒性や刺激の高さはまるで違ってきます。
ネット上では、「界面活性剤が入っている化粧品は肌によくない」という情報であふれていますが、市販の化粧品に含まれているものは安全だと言えるでしょう。
肌が弱い人でも安心して使えるように、低濃度で商品を作る技術も開発されています。

界面活性剤の知識を身につけて、正しいスキンケアを!

今回は、化粧品やシャンプーなど多くの美容アイテムに使われる「界面活性剤」についてお伝えしました。

界面活性剤には、皮膚への刺激が強い陽性イオン界面活性剤もあれば、ほぼ無刺激とも言える非イオン界面活性剤があります。
市販のスキンケア商品で主に使われているのは、非イオンタイプの界面活性剤です。

刺激の少ない界面活性剤は、食品添加物にも使われるほど安全性が高いもの。

悪者扱いしていた界面活性剤に対するイメージが変わったのではないでしょうか?

安全にスキンケアするためには、必要な知識を身につけておくことも大切です。
ぜひ正しいスキンケアを楽しんでくださいね。

参考書:『美肌成分辞典』(かずのすけ、白野実)

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